中高生の短期留学で英語はどれくらい話せるようになる?

我が家の娘は、小学4年生で英語はほぼ話せない状態で国内のインターナショナルスクールに編入しました。3年間通って初等部を卒業後、公立の中学校に編入しました。

3年間の英語力の貯金のおかげで、公立中学校に編入して半年後くらいに英検準1級にほぼノー勉で合格しました。将来は海外大学に進学したいそうですが、海外大学進学に必要な英語力の基礎は既にあると思います。あとはもう少し努力が必要かなというレベルです。

周囲では長期休みを利用して短期留学をするお子さんが増えている印象です。中学校に通っている場合は高校受験前の中学1年、2年くらいで行く子が多いです。中学受験をして中高一貫校に通っている場合は、高校受験がないので中学3年生や高校1年、2年くらいで行く子もいます。

ものすごく多いのは、「どれくらい英語が話せるようになる?」という質問です。行く前に失望させて申し訳ないですが、私は「短期留学では英語を話せるようにはならないよ」と答えています。「でも、無駄ではないと思うよ」と。どういうことなのでしょうか。

短期留学ではそこまで英語を話せるようにはならない

短期留学といっても、1週間程度から数カ月程度まで色々とあると思います。けれども、例えば3カ月行っても英語を話せるレベルまでいかないでしょう。少し慣れてきたかも?というあたりで帰国しなければならないからです。

私は輸入会社で勤務していた頃、英語力を試す試験を担当したことがあります。応募されてきた方は、留学経験半年、1年、2年と様々でした。事前に予想していたように、半年ですとこちらの言っている事は分かりますが、上手く言葉にして伝えるには難しいレベルでした。2年留学していた方は、普通に会話のキャッチボールが出来ていました。あくまでこれは社会人の場合ですが、これが中高校生になったところで、そう大きくは変わらないと思います。

現地にいって、毎日英語のシャワーを浴び続ければ、少しはマシになるのではないか?そう期待して子どもを短期留学に送り出すのだと思いますが、もちろんマシになるでしょう。それでも、目的が「英語力を上げるため」ということであれば、いくら費用をかけたとしても最初から期待しない方がいいでしょう。

日本語を少し勉強している外国人が、日本に数カ月滞在したからといって急に日本語ペラペラにはならないのと同じ理屈です。

日常会話レベルになるには3000時間程度が必要

これもよくお伝えしていることなのですが、日常会話程度の英語力、もし敢えて分かりやすく英検で言うなら準1級程度の英語力を身に付けるには、英語に触れて、英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランスよく3000時間ほどやる必要があります。逆に言えばそれくらいの時間で、ほとんどの人が日常会話程度の英語力が身に付くのです。

例えば我が家の娘はインターナショナルスクールに3年間通いましたが、1年間でちょうど約1000時間程度英語環境にいる計算でした。3年間で約3,000時間です。現在の彼女は、まさに日常会話程度ならこなせますし、英検は準1級に合格しています。

短期留学ではどうやっても3000時間に到達することは出来ません。けれども、3000時間に到達するための時間をこなすことはできます。表面的には見えなくても、内部にはたまっているのです。それに、実際にネイティブの英語をたくさん聞いたり、海外の文化や雰囲気を知ることで、日本国内で英語を勉強をしているのとはまた違った経験が出来るでしょう。ですから、短期留学は決して無駄ではないと思います。

短期留学のコスパは事前に考えておくべき

これを読んでいただいている方は、中高生の短期留学を考えている方が多いと思います。短期留学は決して安くありません。2週間程度でも数十万するのが普通でしょう。例えば50万円で短期留学に行くのであれば、英語学童やインターナショナルスクールなどのアフタースクールに1年間通えてしまうくらいになります。

数カ月となると100万くらいしてしまいますよね。そうなのです。短期留学は、長期留学やインターナショナルスクールに通うことを考えると、手軽には行けるのですがコスパが悪いんです。

同じ費用をかけるなら、短期留学がいいのか、英語学童やアフタースクールがいいのか、インターナショナルスクールなどに通うのが良いのか、事前に考えておかれるとよいと思います。

外国人に慣れることも必要

意外と盲点なのは、外国人に慣れることも必要だということです。日本には外国人が少ないので、大人でも日常的に外国人と話すなどの機会は多くはなく、外国人に慣れていない人も多いでしょう。

我が家の娘は、3歳くらいから英語ネイティブが先生をしている英会話に通っていました。英会話に週1回程度通うくらいでは、英語は話せるようにはならないと知っていましたが、外国人に慣れて欲しいと思って通わせていました。

普段はイギリス人の金髪・青い目の先生でしたが、ある時その先生がお休みで代わりに黒人の先生が担当されたことがあり、当時5歳くらいだった娘は少し驚いたようでその話をしていました。私は「見た目は少し違うかもしれないけど、でも何も違いはなかったでしょ?」というと、「そうだね」と言っていました。

こういう経験があったからこそ、小学4年生から突然英語も話せないのにインターナショナルスクールに編入しても、そこまで違和感を感じることなく、すぐに慣れることが出来たのかもしれないと思っています。

あくまでも個人的な意見ですが、参考になれば幸いです。

『小学生からの国際教育Cafe』が提供するサービス

国内のインターナショナルスクールって、あまり情報がないのです。我が家も娘が転校する時には、結構悩みました。インターナショナルスクールでどの程度英語力が伸びるものなのか、逆に日本語力はどうなるのかなど、色んな意見があり不安に思う事もあると思います。

インターナショナルスクールや、英語・国際教育について相談されたい方は、こんなサービスを提供しています。

国際教育Cafe

2021年3月16日

興味のある方はこちらからお問い合わせ下さい。

娘の3年間のインターナショナルスクールでの経験については、Kindle本を出版しています。
『英語で広がる子どもの未来 小学生がインターナショナルスクールに3年間通ってみた』

 

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ABOUTこの記事をかいた人

フルタイム勤務のワーママを経て、フリーランスへ。サロン開催、サークルや、PTA、学童の役員等で、多くのワーママと関わってきている。海外との仕事をする機会が多く、添乗や出張、旅行等で30カ国以上を訪問。 ドイツ親子留学が延期となり、娘は公立小学4年生からインターナショナルスクールへ転校し、卒業。 国際教育相談のサービスも展開するライター。
120時間のTEFL(Teaching English as a Foreign Language)コースを修了。
♦GCS認定コーチ
♦Points of You® Explorer(国際資格)
♦『edu JUMP!』『留学プレス』等でライターとしても活動
♦ Certificate of 120 Hour Advanced TEFL Course