『幸せの探し方「ありがとう」の言葉でつくる幸せな毎日 kokko著』

私はふみサロという文章サロンに参加しています。
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ふみサロ

月に1回、課題の本があり、それについて800字程度のエッセイを書きます。感想文ではなく、その本から感じた事をエッセイに落とし込むリブリオエッセイというもので、別に本を読んでもいいし、読まなくても良いのです。私は本が好きなので、ほとんど読んでからエッセイを書いています。

幸せの探し方「ありがとう」の言葉でつくる幸せな毎日 kokko著とリブリオエッセイ

今月の課題本はこちらでした。個人的な体験とこの本の内容にも重なる部分があり、どうしようか迷いましたが、書いてみました。
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「東京の人って百貨店って言わへんの?」と営業さんが聞いてきた。「あんまり言わないですねぇ。年配の人は言うかもですけど。」

東京から関西に引っ越して以降勤務していた会社では、当然であるが皆さん関西弁で、営業部長のRさんと私だけが東京から来たので標準語。「嘘やん。じゃぁなんて言うん?」「デパートですかね。」「デパートぉ?英語やん、それ。」

コテコテの関西弁が繰り広げられる社内で、Rさんと私は何年たっても標準語のまま。微妙なアウェイ感を共有していたと思う。

Rさんは渋谷区で生れ育ち、若い頃はプロゴルファーを目指して、アメリカで修行をしていたそうだ。結局プロになるのは断念して帰国し、商社を渡り歩き、東京から関西に越してきた。

Rさんと営業さんと私の3人で東京やイタリアへ出張したり、海外の担当者が来日して、一緒に清水寺などを案内した事もあった。

Rさんはアメリカ滞在が長かったからか、ちょっと物腰が外人風で、いつも私には「ハーイ、ケイコさん。最近どう?」とさわやかに話しかけてくる人だった。

私がその会社を退職した数ヶ月後、Rさんは転職して東京に戻ったと聞いた。どうされているのかなと時々思う事はあっても、連絡しそびれていた。

ある日、久しぶりに営業さんから連絡があった。そして、Rさんが亡くなったと知らされた。ガンが見つかり、既に手遅れだったらしい。お葬式の話をしてくれた。Rさんは独身で、自分のお葬式を事前に自ら手配していたそうで、祭壇は遠くから見るとゴルフ場に見えるようにアレンジされていたそう。式の途中で突然「ここで1曲、MISIAのEverything。」とアナウンスがあり、曲が流れたそうだ。「MISIA好きだったなんて言ってなかったよな~。」と営業さんは呟いた。私も知らなかった。

水くさいなぁ、Rさん。なんで死ぬ前に連絡くれなかったんだろう。Rさんなら、カッコよく「ケイコさん~、俺ガンになっちゃってさぁ。もうすぐ死ぬかもしれないけど、悲しまないでね。」と言ってきそうな気がした。ゴルフの大会に出場したり、体も鍛えて食事にも気を付けていたのに。Rさんはいつまでもお元気だと思っていました。

あぁ、そうか。人が健康で生きている事は「当たり前」ではないのですよね。Rさん、51歳ではやり残した事もあったでしょう。私に出来る事はせめてこうやってRさんとの思い出を書き記しておく事くらいです。しばらくは「Everything」を聴くと、泣いてしまうかもしれないですけど、今日を無事に過ごせている事に感謝して、生きていこうと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

Keiko Hagi (羽木 桂子)

フルタイム勤務のワーママを経て、フリーランスへ。夫は単身赴任中で、小学生の娘と2人暮らし。サロン開催、サークルや、PTA、学童の役員等で、多くのワーママと関わってきている。海外との仕事をする機会が多く、添乗や出張、旅行等で30カ国以上を訪問。独自の視点をコーチングに活かし、ワーキングマザーをサポート中。ドイツ親子留学が延期となり、娘はインターナショナルスクールへ転校する。国際教育相談のサービスも展開するライター・コーチ。
♦GCS認定コーチ
♦Points of You® Explorer(国際資格)
♦『次世代国際教育メディア』(https://ienext.org/)にて、コラム連載中。