我が家の娘は、公立小学校4年生の夏休み明けから国内のインターナショナルスクールへ転校しました。ほとんど英語の話せない状態でスタートしてからの2年間を、一旦ここで振り返ってみたいと思います。
※公開するのが遅くなりましたが、執筆時は2年と少し経過した時点での内容です。
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インターナショナルスクール2年間の振り返り
娘の通っているインターナショナルスクールは国際バカロレア認定校です。国際バカロレアでは、「振り返りの出来る人」というのも学習者像としてあげているので、娘も単元の終わりには毎回振り返りをしています。
私も親として、公立の小学校4年生から、英語の出来ない娘を突然インターナショナルスクールへ転校させてから2年間、感じたことなどを振り返ってみたいと思います。
インターナショナルスクールの2年間で英語力はどのくらい伸びた?
我が家の場合は、私自身がカナダとアメリカで長期滞在した時に、英語圏にいてもすぐに英語が上達する訳ではないと体験していたので、インターナショナルスクールに過度な期待をしなかったのは良かったと思います。とにかく最初は学校に慣れて、楽しく通って欲しいと思っていました。そうでなかったら「高い学費払ってるのに!」とか、ちょっとイライラしたかもしれません(笑)
放課後や休みの日は公立小学校のお友達と過ごしていましたので、基本的に日本語環境です。インターのお友達とは家が遠いので、時々お泊り会をしたり、夜オンラインでゲームをしたり、話したりしていました。
娘の場合も私が体験したのと同じように、1年目、特に最初の半年間はあまり上達している実感はありませんでした。1年目の後半と、2年目になって急にクラス内の外国人比率が増えて苦労した辺りからぐんと英語力が伸びたので、、多少の違いはあれど、大人でも子どもでも、やはり同じような経緯を辿って英語力ってのは伸びるんだなと、再確認した時間でもありました。
どれくらい伸びたのかを分かりやすく英検で言うと、編入して1年半までに、ほとんど勉強しなくても英検準2級までは順調に合格しています。準2級のスピーキングテストは満点でした。2年とちょっと経った頃、英検2級を受験してみましたが、その時も過去問を2回程度やっただけで合格しました。多少勉強をがんばれる子なら準1級は合格出来たと思います。そしてこれは娘が特別なのではなく、同じ環境に置かれれば、適切なサポートは必要とは思いますが、ほとんどの子どもは同じレベルに到達するでしょう。
インターナショナルスクールの2年間で日本語力はどうなった?
娘の学校では、日本人の生徒向けに「国語」の授業があり、外国人生徒に対しては、「日本語」の授業があります。娘は「国語」の授業を受けていました。公立校と同じ教科書を使い、同じような授業をやっていました。担当の先生はとても熱心に教えてくれていました。ただし、時間数としては公立校より少ないため、同じ内容を少ない時間で終わらせるのは大変と聞きました。それはそうでしょうね。
少し違った点と言えば、作文だけではなくエッセイを日本語で書く事がありました。これはいずれ海外の学校に進学する生徒もいるので、エッセイの基本的な形式などに慣れておいた方が良いという事だったようです。
娘は塾で国語を受講している事もあってか、1年目はそれほど変化はありませんでした。2年目になると、英語力が伸びるにつれて、日本語力は少し伸び悩むようになりました。例えば「異口同音」などの四字熟語や、「鬼に金棒」などの慣用句がすぐには分からないという事もありました。漢字も意識して覚えないと、以前と比べると書けなくなってきているのを感じます。この辺りは地道に勉強し続ける必要があると思います。
英語以外で苦労した授業は?
算数については塾に行っていたので、算数で使われる英語を覚える必要はありますが、日本の算数の方が何倍も難しい事をやっていますので、全く問題ありませんでした。塾内では普通の成績なのですが、インターでは寧ろ「算数の出来る生徒」、公文のおかげもあって「計算が早い」と言われていました。この点については、改めて日本の算数教育のすばらしさを認識する事となりました。
しかしながら、国際バカロレアの授業では、なかなか成績が上がらず少し苦労しました。社会や理科的な事もやりますし、5年生になると思春期や性教育などの授業もありました。当然英語での授業になるので、内容を理解するのが難しいですし、テストでも高学年になると結構文章を書かされるので、大変だったようです。年に2回渡されるスクールレポート(成績表)の評価は良くありませんでした。
5年生の1学期もまだ国際バカレロレアの成績は上がりませんでした。担任の先生に聞いてみたところ、やはり残念ながら英語力の不足から深く理解する事が出来ていないという事でした。日本人からするとかなり英語は出来る方にはなりますが、インターナショナルスクールの同級生と比べると圧倒的に英語力は足りていませんでした。なかなか難しいなぁと思っていました。本人が悪い訳でもなく、本来の能力が足りないという事でもなく、問題は英語力なのですから。。でも少しずつ伸びてくるはずだと思っていたので、あまり気にしないようにと、娘には伝えていました。
そんな停滞期が1年半続いたものの、5年生の後半が終わって届いたスクールレポートでは、国際バカロレアの成績は軒並み成績アップしていました!リスニング力がグンと伸びてきたおかげで、授業はかなり理解出来ていたようです。娘もコツを覚えて、例えばテストで長文で書かされそうな内容等は予想して、家で調べてから暗記しておくなど、努力はしていました。
国際バカロレアの授業では、自分でリサーチして、まとめて、授業で発表するという事を毎回行います。編入当初のグループワークでは、リサーチは何とかやるものの、発表はほぼパートナーにやってもらっていて、申し訳ない状況でした。
5年生になると、1人で発表する事が増えてきました。最後の学期では、リサーチも手際よくこなし、1人でちゃんとプレゼンしている動画などを見る事が出来ました。編入当初と比べると、「信じられないくらいの成長」というのが親としての実感です。
ネイティブの英語力と比べると劣る娘の英語力
英語圏の学校では、日本でいう国語の時間が「英語」になります。英語の文法や新しい単語も日々学びますし、リーディングもやります。英語で長文のエッセイも書かされます。これらを総合して成績がつく訳ですが、娘の英語の成績はまだ良くはありません。
これはやはり、編入時の幼稚園レベルの英語力から、かなり英語力が伸びたとは言え、やはり英語ネイティブの11歳、12歳と比べると、実年齢に追いついていないのです。5年生になってから、リーディング力が数ヶ月でネイティブの2年分くらい伸びたと担任の先生も喜んでいましたので、あと少しという感じです。
ちなみに、数か月で2年分くらい伸びたというのは、誇張でもなく、何となくの感覚でもなく、ちゃんと先生がテストをして下さった結果なので、やはりこの年齢は言語を習得するのに最適なのかなと思います。
インプットのリーディング、リスニングではこのまま自然と伸ばしていけると思いますが、アウトプットのライティング、スピーキングについては、まだまだ更なる努力が必要でしょう。
まとめ
インターに編入当初は、3歳児が読むような本を担任の先生から宿題として渡されて読んでいた娘ですが、2年経過した頃から、ハリーポッターの原書を何とか読む事が出来るレベルになりました。
時々娘とふざけて英語で話す事もあるのですが、ちゃんとナチュラルに英語を話せているのですよね。例えば私が「I didn’t know that !」など言うと、「Me neither.」と言っています。ついうっかり「Me too.」と言ってしまいそうになるかもしれませんが、迷いなくスラスラと「Me neither.」と言えるあたり、成長したなぁって思います。
環境や先生、クラスメートとの関係性や日本人比率など色々な要因はあると思います。あくまでも我が家での場合、小学4年生からと少し遅いタイミングでインターに編入した訳ですが、すごく努力した結果というよりは、与えられた環境に適応して楽しむ事で、自然と英語力が身についてきたと思います。私たち日本人が日本で生活していれば自然と日本語を習得するのと同じように、英語を習得してきました。
日本人でも漢字や慣用句は学校で読み書きを習い、本を読んで勉強するように、英語にも例外や独特の使い方などがあるので、それは努力して身に着けていく必要はあります。けれども、ほとんどの場合はインターのような英語環境にいれば、娘だけでなくどんな子どもでもだいたいは同じ程度の英語力は身につくはずです。多少の差は出ると思いますが、才能だとか、耳がいいとか、頭が良いだとかは関係ないと思っています。
「英語は小さい頃からやらないとダメ」、「英語よりもまずは日本語(母国語)」など色んな意見を聞きます。また、英検を受験してはいますが、個人的には英検は級が上がるにつれリーディングの内容は難しすぎて、スピーキングは簡単すぎると思っており、小学生の正確な英語力を測る事は出来ないと思っています。
ですがインターに編入してからの2年間で、娘の日本語力は何とかキープしている一方、英語力が大きく伸びた事自体は事実ですので、お子さんの英語教育に悩まれている方の参考になればと思います。
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