著者のパリの国連での勤務経験や生活について書かれた本です。海外での仕事や生活に興味のある女性にオススメですが、海外に限らず、キャリアや生き方について、色々と考えさせられる一冊。
”夢を食う”っていうタイトルが、「夢を食う?どういう事?」と思うかもしれません。この本の著者は、”パリでメシを食う。”という本を出版しているので、関連本としてこういうタイトルになっていると思われます。
私はこちらの本を先に読みましたが、こちらも面白かったです!
私はなぜか国連・・United Nationsっていう響きに、惹かれるようで。。ニューヨークに住んでいた時には、国連本部があるので、内部を見学するツアーに2回参加して、併設しているショップでは、籏やバッジなど、国連グッズも購入してしまいました。
そんな訳で、タイトルを見てすぐ購入したのですが、国連で仕事を得るまでの驚きのプロセスや、どのような仕事をしているのか、国連の雰囲気などを知る事が出来ます。軽いタッチで書かれているので、読み応えはありますが、意外とさらっと読めますよ。
2年に一度、世界各国の代表団がパリに集結し、数週間にもわたる会議を繰り広げる「総会」で、それぞれの国の思惑がからむ中、議決に持っていく大変さなど、国連独特の話が出てきたり。
かと思えば、予算は常にギリギリの為、ちょっと高価な備品も満足に買えない。たまたま職員の転職で空いた椅子の争奪戦が繰り広げられるなど、「え~、国連ってこんななの?」と驚かされたり。
理解ある上司、個性的な同僚と国連で働く日々。そんな中経験する日本にいる肉親の死、世界旅行中の彼との出会いなど、様々な出来事が起ります。
一方で、国連といえど、組織に雇われて働く会社員と変わらない悩みにも直面します。普通の事務仕事をしていて、仕事は面白くないけれど、安定していて給料は良いし、退職金や年金ももらえる。それをアテにして、パリ市内に高級アパートを購入するメキシコ人職員。一方、現状に満足出来ないと、さっさと転職してしまったアメリカ人の同僚など。
ソルボンヌ大学の大学院で、授業を担当する事になったり、アーティスト達と交流し、パリでの生活を楽しんでいる自分を感じつつも、仕事ではもっと現場での仕事をしたいと思っても、本部として各国からの調査を取りまとめる立場なので簡単にはいかない。国連の正規職員という肩書きに守られながらも感じる窮屈さ。
辞めるべきか辞めざるべきか・・半年間の休職制度を利用し、日本に一時帰国して悩んだ著者が出した答えとは?